トラフィックスコープ
トラフィックスコープとは…
「トラフィックスコープ」は、都市スケールでの道路混雑状況が一目で把握できるよう、1~2km四方のメッシュ毎に、その中の平均的な交通流動性を可視化する、ITL独自技術です。カーナビのように、道路一本一本の渋滞状況はわかりませんが、広い目でどの場所が混雑しているかが、直感的に理解できます。また、リアルタイム情報と統計情報の比較から、特異な状況の場所をハイライトし、状況理解のためにはどこに注目すべきかをわかりやすく示しているのも特徴です。
トラフィックスコープのねらい
日常生活で、道路混雑に悩まされている人は多いと思いますが、自分が走った道路のことはわかっていても、他の場所がどうなっているかや、別の時間帯ではどんな状況なのかを知ることは、実は大変難しいことです。実際、都市部の渋滞がどうなっているのかを網羅的に理解している人は、専門家でもほとんどいないでしょう。
トラフィックスコープのねらいは、天気図のように画面を時系列で並べたり、アニメーションにすることで、渋滞の時間変化を把握したり、今日と類似した過去の交通状況を参考にすることで、天気予報のように、これからの交通行動プランを考えるのに役立てることにあります。特に、異常気象や大規模イベント、さらには災害発生のような、非日常的な場面では、どこに深刻な渋滞が発生しているかを知ることで、自動車を利用する場合の大変さを、市民のみなさんに知ってもらうことに、大きな意義があると考えています。
(特許出願中)
東京トラフィックスコープ
「東京トラフィックスコープ」は、富士通(株)様が収集するタクシープローブデータを利用して、東京都心部の混雑状況を可視化しています。リアルタイムでの情報提供も可能です。以下に過去の特徴的な日の状況を紹介します。
- 【日常パターン】通常の平日
- 【日常パターン】通常の日曜
- 【異常気象】台風上陸
- 【異常気象】ゲリラ豪雨
- 【大規模イベント】東京シティマラソン
- 【大規模イベント】東京湾花火大会
- 【大規模事故】首都高タンクローリー横転事故
東日本大震災発生(H23.03.11)
東北・関東地方に未曾有の被害をもたらした東日本大震災は、東京でも多くの帰宅困難者を出しました。鉄道・地下鉄の復旧が深夜までずれ込んだため、多くの人が徒歩で帰宅の途につきましたが、自動車を利用した人も多かったようで、通常見られないような大渋滞が発生していました。ITLでは、震災当日の交通状況を独自に可視化しました。
- GIFアニメーション(約10MB)
- 第29回日本道路会議発表ポスター(H23.11)