東京トラフィックスコープ~台風上陸

解説

次の図は、2009年10月8日(木)の例です。この日は、台風18号が午前中に本州に上陸し、強風の影響で午前中は首都圏の鉄道運行に混乱が生じました。図3-1に混雑指数を示します。通常の平日と比べると、午前8時台から12時にかけて、都心部の混雑が激しいのに加えて、都心東側の江戸川、荒川付近の流動性が低下している様子がわかります。特に、図3-2の変化指数を見ると、江戸川、荒川付近と、品川付近のエリアが、統計的に「異常な」状態にあることが示されており、運行が止まっていたJR常磐線、総武線、京葉線の影響で、道路が混雑していたことが推察される。
 なお、この日は午前中の混雑で、全体の交通が出控えたせいか、夕方の渋滞は逆に軽微になっていた。

図3-1 台風18号が上陸した日の混雑指数
図3-2 台風18号が上陸した日の変化指数
図の見方

混雑指数の図は、東京都心部を中心とした約40km四方を1kmメッシュに分割して、1時間毎の流動性を数値化して、色分けしたものです。赤い色ほど、流動性が悪く、混雑していることを意味しています。混雑指数は、単純に速度だけを見ているのではなく、交通量も考慮して、そのエリアの交通状態が道路ネットワーク性能の限界に近づくほど高くなるような、総合的な指数です。なお、指数の計算には首都高は除いてあり、一般道のデータだけを使っています。
変化指数の図は、過去3ヶ月程度のエリア交通状態の分布状況と比べて、その時の状態がどのくらい特殊なものかを数値化して、色分けしたものです。赤い色ほど、統計的には希で、特異な交通状態であることを意味しています。