東京トラフィックスコープ~東京シティマラソン開催日

解説

 ここでは、2009年3月22日の東京シティマラソン開催時のトラフィックスコープ画像を示す。東京シティマラソンは、新宿を9時にスタートするが、当日は早朝から自動車トリップの出控えや、交通規制の影響で、自動車交通量が少なかったと考えられ、6時~9時にかけてのトラフィックスコープ画像でも、濃い灰色の「ほとんど自動車の流動性がない」特異なエリアが新宿周辺で見られる。また、マラソン中盤で浅草付近の混雑が統計的にハイライトされているが、これは隅田川沿いの橋梁が通行止めになり、代替ルートが見つかりにくい状況で混雑したものと考えられる。

図5-1 東京シティマラソン開催日のトラフィックスコープ
図の見方

この図では混雑指数を色合いで、変化指数を濃淡で分けて、1枚の図に示しています。
混雑指数とは、東京都心部を中心とした約40km四方を1kmメッシュに分割して、1時間毎の流動性を数値化したものです。赤い色ほど、流動性が悪く、混雑していることを意味しています。この指数は、単純に速度だけを見ているのではなく、交通量も考慮して、そのエリアの交通状態が道路ネットワーク性能の限界に近づくほど高くなるような、総合的な指数です。なお、指数の計算には首都高は除いてあり、一般道のデータだけを使っています。
変化指数とは、過去3ヶ月程度のエリア交通状態の分布状況と比べて、その時の状態がどのくらい特殊なものかを数値化したものです。濃い色は統計的に特異な交通状態であることを意味しています。